… 風景画の部屋 …  

2004年初春「水彩画」を描いてみようと思いました。
その歩みを記しています。


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陰影の表現は難しい
2005年10月10日 (月) 22:30 * 編集
 絵を描いていると、いろいろな難しさに出会います。その中で最も難しいことの一つが陰影の表現ではないでしょうか?
 陰影は、絵全体のバランスに係わってくる要素ですから、それだけに微妙な表現が求められるように思われるのです。

【陰影の重要性】
 陰影の表現は、画風に密接に関わってくると言います。
 それは陰影の色彩表現のみならず、明かるい部分と陰影部分の明度差が、絵全体のトーンを決定づける重要な要素であるということにも関係していると思います。

 ものの陰と影は、それを作り出す素材によっても、光の反射の具合によっても異なります。それをどう表現するかは、特に私のように、風景画で空間(奥行き)表現を大切にしたいと考えているものには、特に重要だと思われるのです。私にとっては、多分、永遠の課題でしょう。

【表現方法について】
 本当に未熟で恥ずかしいのですが、私なりの考え方・方法です。

・グリザイユ
 奥津国道氏は、モノトーン陰影を描くグリザイユ法が陰影表現に適していると書いています。私も最初試みてみましたが、グリザイユに素材の色を単に重色しただけでは、材質感が適切に表現できないような気がして納得できませんでした。特に、緑の陰影は単なるグリザイユでは無理だと判断しました。

・絵の具を混色して使う
 パレット上で適切な陰影の色を作り出し、それで陰影表現をする方法も、考え方としてはあると思います。しかし恐らく、これだけで、陰影に必要な階調表現をすることは難しいでしょう。この方法にこだわって、多分良いことはないと思います。
 私の場合、最暗部の色彩を作り出した時、絵の具がチョコレートのようになってしまったこともありました。これでは、とても気に入った色になりません。

・グリザイユを考慮した重色(最近の私の方法)
 説明しないとわかりませんね。私が最近意識している方法です。

 陰影の場合にも、基本的には、明るい色彩から着色していくことはどなたもそうしていることでしょうが、私の場合特に意識していることは、陰影のトーンを少なくとも3段階程度には捉えること、植物等の色彩(寒色系)と木材・石材等の色彩(暖色系)は陰影のベースとなる色彩を変えることです。
 濃い陰影の表現は、そのベース色に素材の色を混ぜながら色調を整えていきます。薄い陰影の場合には重色表現を行う場合もあります。
 具体的には、暖色系、特に無機質な素材の場合には、セピアを基本にし、それに若干の混色したものをベースにグリザイユ法を用いることが多くなっているようです。それに対して、寒色系(基本的には、水面とか緑ですが)の場合には、グリザイユ法は殆ど用いません。あまりに色変化が微妙であり、それを表現することこそが、絵画の面白さのような気がするからです。ですから、この場合には、素材色+他の色との混色(または重色)を行い、微妙な色調の変化を作り出すように考えながら描いていることが多いようです。

 これが適切な方法なのかどうかわかりませんが…。
「失敗の修正」について
2005年09月20日 (火) 21:03 * 編集
 油彩画ですと、いくらでも塗り直しが効くようですから、着彩の失敗というのはあまり意識しなくてもいいのかもしれませんが、水彩画の場合にはそう簡単には修正できないということになっています。
 私も、今まで描いた絵の中で、2枚ほど廃棄処分にしてしまった失敗作がありますが、習作だと思えば、失敗の修正に挑戦してみるのも無駄ではないでしょう。そう思って、いろいろやってみました。
 特に、一つ一つ、作品を完成させるつもりで描いていると、どうしても途中で投げ出したくないこともあって、自分のイメージに近づけるために、どこまで修正できるか試してみることになるのですが、それは決して悪いことではないと思ってもいるのです。

 私の失敗は、大抵、色を厚塗りして失敗したり、2度塗りとか筆の2度使いをして失敗することが多いような気がします。

 こうした失敗の修正にはいくつかの方法がありそうですが、経験的には次のようなことが言えそうな気がします。

<色を塗り重ねる>
 失敗した着色の上にガッシュの白を塗り、その上に新しい色を落としていくことです。
 この方法は、試してみましたが、新しい色を落としても明らかに色調が変わってしまいイメージにほど遠くなるように思います。この方法は「没」にしたいと思います。
 水彩の場合には、やはり基本的な特性から考えても、塗り重ねるより、次の「吸い取る」方法の方が、修正はうまく行くようです。

<色を吸い取る>
 色を間違って塗ってしまった場合や、イメージより濃い色を使いすぎた場合、エッジが強調されすぎた場合など、何とか色を吸い取ってしまいたいことがあります。水彩ですから、上手くすれば「真っ白」は無理としても、ある程度までは色を吸い取ることが可能なように思います。
 こうした吸い取りは、水気を抜いた筆やティッシュなどで吸い取る方法が考えられますが、しかしこの方法、ある程度は可能なのですが、実際にやってみると吸い取りたい部分と残したい部分の、境界部のごまかし方が結構難しいのです。これをいかに自然らしく見えるように修正するかは、虫眼鏡レベルの細かさで行うことが必要になるかもしれませんね。まあ、多少の不自然さは残るとしても、ある程度の修正は可能なように思います。

<新しい表現を考える>
 ただいずれにしても、水彩の場合には、失敗を当初のイメージに近づけた修正は無理が大きいように思います。それより私は、失敗だと思ったら「新しい表現の可能性」を追求してみたいように思います。
 例えば、別の色彩イメージに転換する、ぼかす方法を考える、などです。そうした新しい可能性を発見しようとする試みの方が成功する可能性が高いと思いますし、そうしたいろいろな試みこそ今の段階にふさわしいような気がしているところです。

 そんな失敗をいくつも重ねるほど、失敗も少なくなっていくんだろうと、思っているところです。
「白の表現」について
2005年09月16日 (金) 22:15 * 編集
 水彩画の場合、紙の白を活かすことによって「白」を表現することはどなたもご存じのことと思います。
 その場合、「白く残す」か「吸い取る」かの方法があることもご存じのこととと思います。

<白く残す場合>
 この場合、マスキング用のテープやインキがあることはご存じでしょう。それぞれ必要なケースにより、使い分けしていると思いますが、ここで特にインキについて書いておきたいと思います。
 私は、インキを使う場合、筆を使いません。筆では小さな部分のマスキングができませんし、管理が面倒だからです。筆の代わりに、割り箸を適宜削って使用しています。爪楊枝を勧めている本もありましたが、この方法が一番簡単で便利だと思っています。

<吸い取る場合>
 空の雲を表現する場合など、絵の具を吸い取る方法も効果的です。ウロコ雲などは白く残して表現するのはとても大変ですし、うまく行くとは思えませんが、吸い取る方法は結構うまく行きます。
 吸い取る用具は、私の場合、小さな部分は綿棒を使うこともありますが、大抵の場合はティッシュを使います。ティッシュを固くして強く吸い取れば、明白な境界で白くすることができますし、ゆるやかにまるめてやさしく吸い取れば、比較的あいまいな境界で白くすることができます。

 もちろん、もっと境界をあいまいにして、ぼかした表現をしたい場合には、紙を湿らせた上で絵の具を使っていけば良いわけです。
#もちろん、にじみ(バックラン)には十分注意する必要がありますが…。

<白を重ねる場合>
 やむをえず、既に色を塗った上で白く表現したい場合は、白を重ねるしかありませんが、透明水彩の白ではダメです。ガッシュの白を濃いめに使うしかありません。それでもなかなか思うような色はでないことは覚悟する必要がありますし、この方法は小さな部分の白に限定されます。
 また、こうしたケースでは、「白のまま使う場合」、「白に他の色彩を薄く混ぜて使う場合」、「ガッシュの白の上に透明水彩の色彩を重色する場合」があります。いずれの場合も、透明水彩で使う場合とは色調が異なることは覚悟する必要があります。
「絵の具の色」について
2005年09月16日 (金) 21:54 * 編集
 絵の具の色は80色。それに対して、自然の色彩は無限です。どんなに写実的に描こうと、自然の色彩をそのまま表現することは不可能です。そう考えれば、絵の具を使うのが気楽になります。どうせ対象のままの色彩など表現できないのですから…。
 むしろ、自分が見たと信じる色彩を絵の具で表現しようとすると、あらゆる絵の具を使いたくなります。そして、全体の調和が失われることになるのです。私の初期の絵がそうだったように思います。

 むしろ、絵としての全体の調和を考えると、あまり多くの色彩を使わない方が良いかもしれません。今は、絵を描く際のトーン表現が重要だということに自分でも思うようになって来ました。むしろ中間色が重要なのだと思うようになったのです。いろいろの本には、いくつもの色を混色すると色が濁るからすべきではないと書かれています。しかし、私には、絵の具の色彩は明るすぎるように思えて仕方ないのです。自然の色彩はもっと深いと思えて仕方ないのです。

 一例ですが、「フレンチ・ウルトラマリン」をベースにして、「黄土色〜茶系統の色彩」を混色することによって、様々なグレー表現が可能です。このようにしてできたグレーをベースにして絵を描くと、いくらか全体の色調が整ってくるような気がします。今は、そんなことを考えながら絵を描いているところです。
 そう考えれば、水の交換にもあまり神経質になる必要はなさそうです。
さらに「カシミール3D」を使う
2005年06月20日 (月) 23:45 * 編集
20050623004324s.jpg

 水彩画を描く時、現場で描く方が良いに決まっていますが、実際にはなかなかそうは行きません。そんな事情を補ってくれるのがカメラになります。
 今どきカメラを使うことを否定する人はいないでしょうが、その場合の最大の問題は、直接現場で見る映像とカメラの映像が異なることです。それは、次の2点にあります。これだけは、現場で描くしか解決できない問題です。
・焦点レンズ:現場で見る画像は標準レンズ(約55mm)になりますが、カメラではレンズの焦点レンズに左右されますので、実際に見るものとは大いに異なってくることになります。
・画角:実際の視覚は150度ほどになるのに、カメラではそれが極端に制限されてしまいます。

 ちなみに、私は、写真を絵にする場合、通常、これらの不備をできるだけ補う意味もあって、
・絵にする構図で撮ったもの(可能な限り「標準」で撮ります。) の他に
・周辺も含めて広角で撮ったもの
・気になる細部を中心に撮ったもの
 を準備しておきます。

 こうした物理的な問題の他、肝心の絵を描く感性に対する影響についても大いに違いがあります。
#但し、不遜ながら、私には、想像力を駆使することにより解決可能な問題のような気がしているのです。

 さて、本日、友人から絵の依頼(初めてのことです(^_^))とともに、写真が送られてきましたのでそれを眺めていました。なかなか難しい絵です。しかも、送ってもらった写真の背景の山並みがはっきりしないのです。絵ではぼかすことができるので良いのですが、やはりどのような描き方をするかを考えるためには、そこから見えるスカイラインをハッキリ捉えておく必要があると思います(注)。特に、友人はそこから見える山並みに強い愛着を持っているだろうと思うからです。
 こんな場合、「カシミール3D」というソフトが最適です。
 何とか、絵にするイメージが涌いてきました。
注:例えば建築家は、「1/500の図面を描く際には、1/200〜1/300のスケールで諸問題を抑えておく必要がある。」と言います。それと同じですね。

 上の写真が出来上がった画像ですが、カシミールの機能はこんなに単純なものではなく、GPSに対応したり、画像も季節や太陽位置、雲の様子などの表現を加えることが可能です。
私のスケッチ方法
2004年12月25日 (土) 20:39 * 編集
 絵を描くには現地で描くのが本道だろうと思う。しかし、私はまだ初心者。現地で描くのは恥ずかしいし、まだ仕事を抱えている身だし、テニスにも励まないといけない(いけないってこと無いんですが(^^ゞ)ので、水彩画三昧というわけにはいかない。おまけに今は冬だから寒い。そんなわけでいつも絵を描くのは自分の机の上です。
 最初は、写真をそのまま描いたり、本からの模写をしたりしていたんですが、それはすぐにやめました。やはり少しでも絵を描く雰囲気に浸りたい。そこで、今は、こんな方法で絵を描いています。

 一応、あちこち回りながらデジカメで写真をとってきます。私のデジカメは200万画素(光学10倍ズーム、手ぶれ補正機能付きですが)なので細かいところはあまり詳細に確認することができません。そこで絵を描きたいポイントについては、次のような写真を撮ります。
・狙いの構図で1枚(できるだけ「標準」で撮影します)
・暗部は真っ暗で見えなくなってしまうので、露出を上げて2枚ほど
・さらに周辺部を確認するため、広角でもう1枚
 さて。スケッチを起こす際には、21インチのパソコンのディスプレイに上述の写真(できれば最初のもの)を画面一杯にして描いていきます。不明な箇所は、拡大したり、2枚目、3枚目の写真を見ながら確認しつつ描いていきます。

 しかし、この方法、友人に言わせると、結局は2次元の画像をそのまま2次元の紙に描き写すわけであり、それだけ簡単なのだそうです。実際の風景は3次元であり、それを描くのは新たな難しさがあると言います。
 確かにそういう問題もあるように思いますが、それより、私が、今のこうした方法でどうしても解決できない問題として実感しているのは次のような点です。
 一つ目は、カメラレンズの焦点距離の問題で、実際の風景と奥行き感が異なってしまうこと。
 二つ目は、色彩が写真に撮影した色彩に制約されること(現在使用中のデジカメは比較的素直な色調を表現してくれるとは思っているのですが、それでも限界を感じてしまいます)。
 そんなわけで、いずれは現地で絵を描かねばと思っていますが、この友人のさらに友人の画家は、現場でのスケッチは5分で後は自分のアトリエで仕上げるのだそうです。それは上記一つ目の問題を解決してくれる方法として不可欠の条件ですよね。しかし、二番目の問題を解決するには、もっと良質のカメラがどうしても欲しくなってしまいます。いずれはそんなデジカメを買うことになるかもしれませんね。
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