冬晴れの称名寺:F10 
2005/07/29 Fri. 01:29 [edit]

絵は現場で描く方が良いのに決まっています。しかし、まだまだ悠々自適の生活にはほど遠い我が身、なかなかそうは行きません。
また、絵を描くにはそれなりに集中力が必要なのですが、最近、雑用や気分が削がれるようなことがあって、もう一つ絵を描こうという気持ちになりきれませんでした。
しかし、前回の絵からもう2週間ほど過ぎてしまいましたので、思い切って描くことにしました。それも今まで描いたことのないF10サイズです。もちろん新しい水彩紙であり経験のないものです。
私の絵は、今のところ現場で撮影してきた写真をもとに描いています。もちろん皆、絵を描くつもりで撮影してきているものですが、ちょっとネタ切れのようで、最近の写真ではどうももう一つ気分が乗りきれませんでした。そんなわけで、かっての写真も振り返ってみて、その中から冬晴れの金沢八景・称名寺を描いてみました。
やや絵はがき的なアングルにはなるのですが、こうした絵はとても小さなサイズでは描ききれないと、以前に水貼りしていたモンバルキャンソンに手を出してみました。
2週間ぶりの絵であり、しかも未体験の水彩紙だったということもあって、最初は結構戸惑ったものです。絵も、ちょっと間を開けるだけで、忘れることが多いものだと、改めて感じさせられました。
・モンバルキャンソン水彩紙F10/中目
・水の適度なコントロールをしないと特有のバックラン(にじみ)が発生します。しかし、これも馴れてくればそれなりにコントロールできそうな気がしてきました。
・大きなサイズの絵は、それなりに気持ちの良いものです。これからは8号・10号サイズの絵が増えるかもしれません。ただし、ここの画像でおわかりいただけるかどうか、ここで表示するためにはA3のスキャナーで分割して撮ったものを合成しないとご覧いただけません。そこが難点ですね。
category: ┗ 風景05年
Spot:シヨン城/スイス 
2005/07/14 Thu. 23:34 [edit]

【詩人バイロンが魅せられた古城】
これはレマン湖に建つシヨン城です。美しい外観なのですが、この城の地下には、暗く、底冷えのする牢獄があって、詩人バイロンはこの地下牢に魅せられて「シヨンの囚人」という叙事詩を作ったそうです。それは、時の施政者サヴォア家に対抗し、幽閉の憂き目にあったサンヴィクトワール修道院長ボニヴァールの物語だそうです。地下牢の柱には、今でもバイロンのサインが残っているとのことです。
インターネットでは、このサイトが詳しく報告してくれているようです。
最近は、Spotとは言いながら短時間で描くことが主目的ではなくなっています。せっかく描くのに、何も素描のような絵にしなくてもいいかなと思うようになってきたのです。その代わり、Spotは線画を基本とした水彩画になってきたようで、意識的にそのように描いています。
それに対して、カテゴリー「水彩画」は、線をできる限り使わないで描こうと意識しています。
こういう絵をSpotとしてではなく、水彩画として描きたいものですね。
#もちろん線を使わないで描く方法はもっと別の方法もあるのですが、私にはその方法は不得意なので、とりあえずの方法ですが…。
・コットマン/F4/中目
・しばらくの間、Spotは線画タッチ、淡彩で描いていく予定です。
・水面への反射は、筆のタッチに注意するとともに、反射の画像表現にも実際の景観以上に慎重に描くべきでした。今回の反省点です。
category: ┗ Spot01
沖に向かう小舟:F4 
2005/07/13 Wed. 21:07 [edit]

三浦市には車で行ったので、その帰り道、観音崎の方に足を伸ばしてみました。海は何となく絵になりそうな雰囲気があったのですが、ここには港がないので、船が近くにありません。どうも海を絵に描くには船が欲しいようです。
そんなことを考えていたのですが、たまたま沖に向かう小舟を見つけたので、それを描いてみました。
・コットマン水彩紙F4/粗目
・この絵は粗目を使ってしまいましたが、ちょっと用紙の選択を誤ったかもしれません。予想したより用紙の表面がほつれやすく、どうも水面を描くには適していないようです。
category: ┗ 風景05年
神奈川水彩画展を見て 
2005/07/12 Tue. 22:48 [edit]
展覧会の絵の評価としては、前向きの評価で言えば、殆どが100号程度の力作揃いであること。そして、否定的な評価で言えば、展覧会向けで作成しているものなので、私にはあまりにも受けを狙った理屈っぽく思われる絵も多い、ということでした。
その他、ある画廊の絵画教室の人たちの展覧会なども同時に開催されていました。こういうことで、最近わかってきたことは、神奈川県の主要な絵画展は、神奈川県民ホールと横浜市民センターで開催されているということです。しかも、煩雑にです。
そんな状況に、少しあきれるというか、圧倒されるというか、そんな思いを抱きながら、受付脇で個展の案内ハガキを見ていたら、そこにも多数の個展の案内があります。見ているうちに、今日も近くの画廊でいくつかの個展が行われていることがわかりましたので、疲れてはいましたが、それらも回ってみました。
中に、大判(50号)の透明水彩を描いている人がいたので、そういう用紙はどこで入手できるのかを聞いてみました。彼のものは、アルシュのロール紙で、世界堂で買ったもののようでした。
#こんなことも知らないんだからイヤになってしまいますね。
また、別のギャラリーでは、専門の雑誌を見つけました。
#そうか、こういう雑誌もあったんですね。それも当然か。
いずれにしても、数え切れない程の人々が、それぞれの考え方のもとに、様々な絵を描いています。日本というのは本当に平和な国なんだと改めて思います。そして、その役にも立たないことに注ぐ膨大なエネルギーを思うと恐ろしい程です。
せめて、そういう環境にやさしい、人々の文化的とも呼ぶべきエネルギーが日本の経済を救うようになって欲しいと思います。
#江戸時代も、そういう文化的なエネルギーが成長無しの経済を支えていたわけですから…。
category: ┗展覧会・画家
Spot:ホーエンヴェルフェン城/オーストリア 
2005/07/11 Mon. 23:25 [edit]

【大司教が築いた城砦】
19世紀初頭まで、ザルツブルクはローマ教皇領であったとのこと。教皇領というと神聖な地のように考える人も多いと思いますが、実際には血なまぐさい争いが絶えなかったようです。小高い岩山に建つ城砦ホーエンヴェルフェン城は、11世紀、時の大司教が国王派に対抗すべく建設した防衛施設とのことです。この要塞はその後、何百年も牢獄として利用され、時には、大司教自身も失脚して囚人として幽閉されることもなったそうな。
私には、音楽祭の地としてのザルツブルクの方が嬉しいですね。
インターネットで調べたら、このサイトが比較的詳しく報告してくれているようです。
本日は、仕事の関係で1日外に出ていたので、何となく着彩するのがおっくうでしたので、TVを見ながらペン画で描いていました(着彩は翌日です)。
・コットマン/F4/細目
・今回も、下絵のペン画はやや細密画的タッチで描いています。私の得意なタッチですが、どこまでこれで表現できるかが課題でしょうか。
category: ┗ Spot01
三崎港の初夏:F8 
2005/07/10 Sun. 13:24 [edit]

続けての水彩画です(^^ゞ。
先日、友人の依頼の絵を描いたり、Spotを立て続けに描いているうちに、何となくいろいろな表現が柔軟にできるような気がしてきました。
そんなわけで、今までのストックの中から絵にできそうなものを探しました(というより、いくつかの候補地点を選択はしているのですが…)。
ここは三浦市の三崎港です。仕事の関係で出かけたのですが、せっかく出かけたのですから、ついでに絵にできるところは無いかと思ってそんなポイントを選んでいた、そのうちの一つです。
ここへは車で行ったのですが、高速の料金所でドアを開けた際(無人の、ちょっと変則的な料金徴収システムだったのです)、横に置いていた帽子が落ちてしまったのですが、それに気づいた後続の車がクラクションを鳴らしてくれたのに、それを「早く行け」という催促と勘違いして、あわてて車を出して、その帽子を紛失したのを思い出します。
その後、100円ショップで似たような帽子を見つけて買ったのですが、最初の帽子は少なくとも2500円~3500円。この価格差は何ということでしょう。確かなことは、私には高い品物は身に付かないということのようです。
#というより、ユニクロとか100円ショップとか、安物ばかりです(^^ゞ。
・ワトソン水彩紙F8/粗目(多分)
・岩澤一郎氏によれば、ワトソン水彩紙は、「撥水力が強く絵の具がザラッとした感じにつく」とのことで、水彩に適していると評価されています。最初は確かにそうですが、一度絵の具が乗ってしまうと、その後、撥水性はなくなりますから、そのあたりを考慮して描く必要があります。
・この絵はF8なので、実際の絵は、右及び上下がもう少し描かれています。私のスキャナーはA3までなので、残念ですが、これがここで表示できる限界です。実際の絵は、もう少しゆとりが感じられると思います。
category: ┗ 風景05年
Spot:ロック・オブ・キャッシェル/アイルランド 
2005/07/09 Sat. 23:43 [edit]

【聖パトリックとクローバー】
ここは、90mもの高さの岩盤の上に建つ大司教区跡ロック・オブ・キャッシェルです。アイルランドの守護聖人、聖パトリックは、この地でキリスト教を広めたと言います。彼は、神と御子と精霊の「三位一体」の教義を説くために、アイルランドでは古代ケルトの時代からお守りとされていた三つ葉に「シャムロック(クローバー)」たとえて、異教徒達を改宗させたとされているそうです。
インターネットで調べたら、このサイトが比較的詳しく報告してくれているようです。これによると要塞だったんですね。
確かに周囲の壁は要塞を思わせますが、比較的低い壁のように思えます。
それにしても、私には何となく不思議な景観を感じさせます。もしかしたらアイルランドの景観には、私の感性に触れるものがあるのかもしれないと思ったりしています。
・コットマン/F4/細目
・今回も、下絵のペン画はやや細密画的タッチで描いてみました。こういうタッチ、私自身も好きになってきています。
category: ┗ Spot01
Spot:ネメアの丘/ギリシア 
2005/07/08 Fri. 18:45 [edit]

【ヘラクレスの獅子退治伝説】
ペロポネソス半島にあるネメアの町にはギリシア神話の豪傑ヘラクレスが、その名も「ネメア」という象ほどの大きさもある人食い獅子を退治した伝説が残っているのだそうです。
町の小高い丘の上には、紀元前330~320年頃に造られたゼウス神殿の遺跡があって、今は3本の石柱が残っているだけですが、神話世界の面影を伝えています。
インターネットで調べたら、この倒された獅子が獅子座の由来なのだそうです。知らなかった(^^ゞ。
このSpotシリーズ、始めてはみたのですが、どうも一部には評判が悪いようです。
しかし、せっかく始めたものなので、個人的には終結してしまいたい。そんなわけで、これからの後半は、あまりつまらないものは飛び越して、急ぎ足で進もうかと思います。よろしく。
・コットマン/F4/細目
・今回は、ペンをやや細密画的に使ったので、前景の着彩をしないままとしておきました。
・前回の水彩画、今回の水彩画は粗目の水彩紙を使用しています。この用紙、やはり気をつけないと、水が乗りにくい上に、Wet on wetでは、思いの外色が広がってしまいます(実際、予想以上に山の色彩が広がってしまいました)。ちょっとしたことでも傷になりやすいようです(筆に着いていた埃が紙に乗ってしまったので、それを拭き取ろうとこすったのですが…)。繊細に扱ってやる必要があるようです。
・しかし、仕上げの結果は、細目に比べれて味わい深いものがあり、むしろ気に入っています。もう少し使いこなす感覚が必要なのかもしれません。
なお、一昨日新宿に出たついでに、世界堂で念願のセヌリエの水彩紙F6粗目を買ってきました(これは高かった(^^ゞ)。同じ粗目ですが、どう違うのか、いつか使う時が楽しみです。
category: ┗ Spot01
リンゴ園からの南アルプス遠望:F4 
2005/07/05 Tue. 21:25 [edit]

しばらくぶりの水彩画です(^^ゞ。
このところSpot画ばかりでしたが、先日、友人から絵を頼まれて、その素材となる写真をいただいていたのですが、残念ながら遠景の南アルプスが霞んでいて良く見えません。そこで、カシミール3Dで南アルプスのスカイラインを描き出し、それを参考にして描くことにしました。
また、いただいた写真をどんな絵にするかは、画家としての大切な部分だと思ったので、それなり考えさせられました。結果的には、ここに掲載した絵のようになりました。
いただいた写真に対して、南アルプスへの展望にもっと焦点を合わせるとともに、手前のリンゴを象徴的に描いてみました。
この水彩画は、私にとって初めて依頼されて描いたものとなりました(*^_^*)。友人に感謝です。
実はこの風景、私の故郷の風景でもあるのです。
・コットマン水彩紙F4/粗目/230g
・私の印象では、コットマンの粗目は、なかなか面白い味を持っていますが、中目より水彩画には向かないのかもしれません。やや水のコントロールが難しいような気がしました。
category: ┗ 風景05年
Spot:セルチェクの城砦/トルコ 
2005/07/04 Mon. 21:48 [edit]

【聖母マリアが晩年を過ごした地】
エフェルソス遺跡にほど近いセルチェクの街は、小高い丘の上に建つ城砦を中心に、キリスト教徒たちの巡礼が絶えないとのことです。それは、ここがキリスト昇天後、聖ヨハネに付き添われた聖母マリアが、晩年を過ごした地とされているからだそうです。城砦のそばには、マリアが住んでいた建物が教会となっており、傍らには奇跡をおこす聖なる水が流れているのだそうです。
インターネットでここを検索したのですが、大したところはありませんでした。
・コットマン/F4/細目
・本日の絵は、急いで描いたあまり、全体のバランスに対する配慮が少し足りなかったようです。それにこういう花畑を描くのはどうも好きではありません(^^ゞ。
・このシリーズ、「世界の名景・絶景55(ピエ・ブックス)」という本から、適宜抜粋して描いていくつもりでした。そうして最初に描いたのが最後のページだったのです。それからは思い直して、最初のページに戻り、1ページずつ描いてきたものです。
・しかし、実は1ページだけ、どうしても描きたくないページがあって、それだけは遠慮してきました。それは、モンゴル平原の写真でした。それは、地平線が見える大平原に馬が放牧されているだけの写真でした。
・これからは無理しないで描く気になれないものは、どんどん飛ばしていくことにしますね。
category: ┗ Spot01
Spot:ロンドン塔/イギリス 
2005/07/03 Sun. 23:16 [edit]

【塔をさまよう幽霊たち】
ここロンドン塔は、1097年に築城され、王家の居城として使用された後は、牢獄や処刑場として使われてきたそうです。その血塗られた歴史のせいか、昔から幽霊譚には事欠かないそうな。最も古い記録は、13世紀のカンタベリー大司教トーマス・ベケットの幽霊で、その他、斬首された首を持ってさまようというヘンリー8世の2番目の妃アン・ブーリンや、変わったところで虐待された熊の幽霊まであるといいます。
そう言えば、ハリーポッターの映画の中でも、確か、このヘンリー8世というのはいたような気がしますね。
インターネットでは、こんなページが紹介されていました。
絵にするなら、こちらの方がまともな絵になりそうですね(^^ゞ。
・コットマン/F4/細目
・ブレーメンの絵より少し省略気味に描いたペン画を元に着彩しています。もちろん絵の具はレンブラントを使用しています。
・ただ、絵の具は新しければ良いというものではないようです。今まで使っているラウニーの色のイメージがすでにあるので、思い切って色が使えません。それに、同じ名称でも色が違うのには戸惑ってしまいます。絵の具は早めに返却した方が良いかもしれませんね。
category: ┗ Spot01
新しい絵の具:レンブラント(オランダ) 
2005/07/02 Sat. 21:17 [edit]

私の絵の具は「ウィンザー&ニュートン」(AWC-24HPハーフパン・メタルボックス)です。基本24色のセットに、いくつかの色を追加して、今は34色(不透明水彩の白を加えれば35色)となっています。
本日は、友人から絵の具セットを借用することができました。レンブラント(オランダ)ですが、形は全く同じようなメタルボックスの36色セットです。
そこで、そのお礼として「絵の具チャート」を作ってあげることにしました。特に、初心者には、こうしたチャートはとても便利だと思います。
#水彩画の初心者は、まず絵の具の呼称と色彩が対応しません。また、パレット上の絵の具と着彩された色は全く異なることも多く、どの色を使ったら良いか、馴れるまでなかなか大変だからです。もっともチャートの色だって、使用した色とは異なっていますが…。
写真がそのセットですが、こうしたチャートは、最初から用意しておいて欲しいくらいです。これがあったら、絵の具ももっと売れるんじゃないかと思うくらいです。
このセットにはまだ3色程追加できそうなので、このチャートにはそのスペースも確保しています。もし、私がこれに追加するとすれば、ラウニーで言えば、緑系の「テールベルト」「オキサイドofクロミウムグリーン(クロミウムオキサイドグリーン)」、と黄系の「ネープルスイエロー(ディープやレッドがあり)」でしょうか?さらに検討したい色として「グリーンゴールド(対応色不明)」「インディゴ」などがありますが、このあたりは、実際の色を見ないと何とも言えません。
#( )内は、レンブラントの呼称です。
昨日の飲み会の疲れもあって本日はこれを使えそうもありませんが、今後何日間かの絵には、これを使わせてもらおうと思っています。
#と思っていましたが、結局、レンブラントの絵の具を使用したのは、次の「ロンドン塔」の絵だけでした。馴れない絵の具はやっぱり描きにくいものです。
category: ┗画具
| h o m e |