遊彩会:各自の桜の風景を描く/上野大黒天堂の桜:F6 
2021/04/06 Tue. 22:19 [edit]

それほどひどくはないが、昨夜からまた寒さがぶり返したようです。
今日の遊彩会は、それぞれが桜の写真を持ち寄って描こうというものでした。
3月の末頃、数日間京都の桜の名所を歩き回ったという方が、たくさんの写真を提供してくれたのですが、私は、たまたま持っていた上野大黒天堂の桜の写真を持参したので、それを描くことにしました。

今日は、各自がそれぞれのペースで描くので私の方は気が楽ですが、それではあまりにも素っ気ない。だから、まずは私のデモ(以下、最初の1枚)からスタートです。
以後は、他の人達の絵に多少のアドバイスをしながら、時間を見つけて自分の絵に少しずつ手を入れたもの。
全体的に大雑把ですが、私の水彩画法の手順がわかると思います。

最初のこのステップは、大まかにベースとなる色を置くことにより、全体的なイメージを描出することができます。
基本的には2つのポイントが重要だと考えています。
①鉛筆の下描きがほとんどしてありませんので、色を置くことによりデッサンを確認すること。
②絵の中で最大の明るさを表現すべき箇所(紙の白を残す部分)を明確にすること。
教室のデモでは、時間節約のためもあって複雑な色を置きませんが、自分のペースで色を置いていく場合には、タップリ水を使い、にじみなどで複雑さを感じる色を置いておきたいところです。

さらに細部に目を向け、桜意外の部分の色を置きながら、形を作っていきます。
暗さを入れることにより、桜の枝ぶりがより具体的になり、各部の形が明確になっていきます。

この段階ではまだ桜に手をつけていません。
あくまでも桜意外の部分の表現を具体化しています。

桜は、それを見る距離に依って様々な描き方があります。
この絵では、中央の桜の以外に、右側の遠方の桜、左側の近景の桜を置いています。これによってより空間を感ずることになりますが、その表現の違いを見ていただきたいところです。ただ、あくまでも主役は中央の桜ですから、左手前の桜は(あくまでも相対的な意味で…ですが)描きすぎてはいけないと考えています。
また、周りの色を置くことに依って浮き上がらせるだけの桜表現では、どうしても不自然な部分が残ります。
それを救うために私は(マスキングの代わりに)補助的に「白」を使います。
#マスキングは、絵を描くというより職人的な仕事に思えて、私はあまり使いたくないのです。特に現場では…。
ここまで描ければ、後は仕上げとなります。
全体のバランス・調和を考えながら、色調や細部など、全体的に仕上げていきます。
なお、この絵は、4月20日の次回の教室の後仕上げたものになります。
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